信州松本駅の売店で、出会いました。
みそぱん(味噌パン)
どうも世間には、何種類か、みそぱん(味噌パン)と呼ばれるものがあるらしい。
「みそぱん」として、下記に分類される。
- 菓子パンタイプ
味噌を練り込んだ焼き菓子タイプ:北海道・宮城・山形・長野 - 蒸しパンタイプ
蒸しパンに味噌を練り込んだタイプ:福島 - 惣菜パンタイプ
コッペパンなどに味噌を塗ったタイプ:群馬
トーストに味噌を塗ったタイプ:愛知
惣菜パンとして、群馬県沼田市の「フリアンパン洋菓子」の「沼田名物・みそぱん」は、昭和47年(1972年)の販売。
蒸しパンとして、福島県福島市の「駒田屋本舗」の「元祖みそぱん」は、1980年代の発売。
でも、今回、話題にしたいのは、蒸しとか惣菜ではなく「菓子パンタイプ」の「みそぱん」になります。
信州のソウルフード「みそぱん」(日新堂・安曇野市)
軍隊の保存食としても食されていた「みそぱん」。
日新堂「みそぱん物語」より
みそぱん物語
味噌は ご存知のとおり穀物を発酵させて作った発酵食品で、日本の定番調味料です。その歴史は古く縄文時代からある日本独自の調味料ともいわれ、奈良時代には味噌の原型と思われる「未醤(みしょう)」が文献にも残っています。
かつては各家庭で作られて「手前みそ」という表現が生まれました。戦国時代には兵糧として重宝され、兵士の貴重な栄養源になり、朴葉味噌などに名残を残しています。江戸時代の軍隊用の保存食になるヒントになったと考えられます。味噌は各地の風土・気候を反映して、材料や熟成方法など全国に多様な味噌が定着しています。
みそぱんは 「パン」という名前がついていますが、お饅頭やお煎餅、かりんとうなどの味付けにもなる味噌を使った焼き菓子に分類されます。
江戸時代の末に軍隊用の保存食として全国で作られ、他地域では作られなくなったものが、松本地方では今でも残っています。
信州では 祭事や式典などでよく配られていました。昭和40年代頃までは小学校の元日の登校日や学校のお祝いの際に熨斗紙に包まれたみそぱんが配られていたそうです。現在でも幼稚園や保育園、小学校の入学式、運動会などで配られているところがあります。
一般的な作り方は、味噌と薄力粉と水、重曹、砂糖をよく混ぜて固めの生地をつくって焼き上げます。当社では、より食べやすくアレンジしており、ソフトでサクっとした食感で口の中でとろけ、やさしい甘さとほんのりとしたしょっぱさがクセになります。信州産味噌を練りこんでおり、素朴な風味が懐かしさを感じさせます。牛乳やコーヒーによく合い、お子様のおやつにも喜ばれています。
信州のソウルフード「みそぱん」
「みそぱん」は、信州地方で古くから親しまれてきた定番の郷土菓子です。これは「パン」という名称がついているものの信州みそを練り込んだ焼き菓子に分類されます。江戸末期に軍隊用の保存食として作られていたものが今に続いており、現在でも地域の祭事・式典をはじめ、幼稚園や保育園、小学校への入学式、運動会で配るところが多くあります。
ソフトでサクッとした食感、やさしい甘さとほんのりとしたしょっぱさがクセになる、信州のソウルフード「みそぱん」。子どもから大人まで、永く愛され続ける素朴な味を、心ゆくまでお楽しみください。
素朴な味わい。ほのかな味噌の味わいに、最近、口にしていなかった優しさを感じる、美味。