東海道品川宿・品川寺(ほんせんじ)にある「仁慈の鐘」
戦争裁判・殉国七士慰霊の鐘
最寄り駅は京急「青物横丁駅」
目次
品川寺
東海道の品川寺(ほんせんじ)
真言宗醍醐派の別格本山。
海外に渡った大梵鐘のエピソードが有名な当寺ですが、 この寺院「品川寺」には極東軍事裁判にて、いわゆるA級戦犯として裁かれた殉国七士を偲びし慰霊の鐘「仁慈の鐘」というものもあるのです…
仁慈の鐘 (いつくしの鐘)
本堂向かって右側に小さな梵鐘。
戦争裁判殉国者慰霊の鐘「仁慈の鐘」(いつくしの鐘)
この鐘には、いわゆるA級戦犯として処刑された七士の遺墨が揮毫されている。
東條英機
土肥原賢二
松井石根
板垣征四郎
木村兵太郎
広田弘毅
武藤章
慰霊鎮魂の鐘
品川寺
「仁慈の鐘」
撞座の面には「傳法(伝法)」銘。
「傳法」
昭和庚辰秋仲文麿
昭和庚辰は昭和15年。
秋仲文麿とは近衛文麿のこと。
昭和15年の近衛文麿の書を写し戦後に鋳造したもの…極めて意味深である。
「仁慈の鐘」鋳造は昭和27年12月23日。
(処刑は昭和23年)
鎮魂の鐘を撞き、合掌を…
学徒出陣慰霊の鐘「まことの鐘」
品川寺
本堂の向かって左側
学徒出陣慰霊の鐘「まことの鐘」
昭和35年鋳造
本堂
本堂の両脇に「仁慈の鐘」「まことの鐘」がある。
英霊堂(聖観音)
軍馬・軍犬・軍鳩を慰霊している。
観音様に導かれし馬・犬・鳩。
よく見れば馬の背に鳩が乗っている。
大梵鐘(国指定重要美術品)
明暦3年(1657)鋳造、数奇な運命を辿った大梵鐘。
江戸末期に理由不明ながらも海外に流出。
慶応3年(1867)パリ万国博覧会、明治4年ウィーン万国博覧会に展示。
その後ジュネーブ市アリアナ美術館所蔵。昭和5年に60年ぶりに海外から品川に返還。戦中の供出も辛うじて逃れる。
品川寺のイチョウ(品川区指定天然記念物)
幹周り5.35m、樹高25m、推定樹齢は約600年。
整然な姿に樹勢旺盛、多くの乳が垂れているのが特徴。
銅造地蔵菩薩坐像
江戸六地蔵のひとつ
数奇な運命を辿った大梵鐘の物語の影に隠れた、もうひとつの知られざる鐘「仁慈の鐘」(戦争裁判殉国者七士の鐘)を偲びし参拝でした。
〆
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