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移動演劇さくら隊 原爆殉難碑(目黒区)

目黒不動に隣接する五百羅漢寺。
境内には、疎開巡業中に広島で原爆の被害にあった劇団さくら隊(桜隊)の慰霊碑が建立されている。

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移動演劇さくら隊 原爆殉難碑

移動演劇隊さくら隊 原爆殉難碑
徳川夢声

原爆殉難碑
 昭和20年8月6日、世界で初めて原爆が広島に投下された。
 巡業中だった、新劇の名優「丸山定夫」の主宰する移動演劇隊「さくら隊」が被ばくし、団員9名が悲惨な最期を遂げました。
 この碑は、旧友たちの死を哀悼し、原爆という非人道的な武器を発明した人類の愚かさに、永遠に抗議するため、昭和27年、徳川夢声によって建てられました。
 碑の文字は徳川夢声、台座には亡くなられた9名の名前が刻まれ、碑の裏面には、柳原白蓮の自筆の追悼歌が刻まれています。
 原爆のみたまに誓ふ人の世に
  浄土をたてむ みそなはしてよ
              白蓮

桜隊(さくら隊)

1942年「苦楽座」結成。主要メンバーは薄田研二、徳川夢声、丸山定夫、藤原釜足。1944年に「苦楽座」は解散となり国策演劇団体「日本移動演劇連盟」に強制的に組み込まれ旧苦楽座は「桜隊」として改組。

1945年8月6日、「桜隊」疎開先の広島市中心部に近い堀川町の宿舎兼事務所も被爆し全壊焼失。当時、宿舎にいた9名のうち5名は即死であったという。
 ・森下彰子(23歳) 女優
 ・羽原京子(23歳) 女優
 ・島木つや子(22歳) 女優
 ・笠絅子(41歳) 島木つや子の母、衣裳方
 ・小室喜代(30歳) 桜隊事務長槙村浩吉の妻
   槙村浩吉は、たまたま広島から東京に赴いており広島不在だった。

辛くも脱出し避難した4名も次々と亡くなってしまう。
 ・丸山定夫(44歳) 桜隊隊長
   8月16日。避難先の厳島存光寺で死去。
 ・高山象三(21歳) 桜隊舞台監督、薄田研二の息子
   園井恵子とともに神戸の園井知人宅に避難するも8月20日死去。
 ・園井恵子(32歳) 女優、宝塚歌劇団出身
   高山象三とともに神戸の園井知人宅に避難するも8月21日死去。
   「宝塚歌劇の殿堂」殿堂入り。
   殿堂入りしたタカラジェンヌでは最年少物故者で唯一の戦災死者となる。
 ・仲みどり(36歳) 女優
   なんとか東京の実家に戻り東京帝国大学付属病院に入院。
   放射線医学の権威・都築正男教授の治療を受けるも8月24日死去。
   医学的に認定された「原子爆弾症認定患者第一号」となる。
   肺と骨髄の一部が今でも東大病院にてホルマリン保存されている。

こうして、広島に滞在していた桜組の9名は原爆によって命を奪われてしまった。

五百羅漢寺の碑には9名の隊員の遺骨も少量ずつ納められている、という。

合掌

台座には被爆し亡くなられた9名の御名前が刻まれている。

裏面には柳原白蓮の自筆の追悼歌が刻まれている。


五百羅漢寺


目黒区の五百羅漢寺境内に東京の「移動演劇さくら隊原爆殉難碑」がある。

広島にもおなじく「移動演劇さくら隊原爆殉難碑」があるが未訪。
いつか訪れたいです・・・


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