平成28年4月撮影
現在の海上自衛隊横須賀地方総監部田戸台分庁舎。
桜の季節に一般公開。
友人に連れられてサクッといって参りました。
基本情報(公式サイト内案内ページ) http://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/event/tadodai/tadodai.html …
到着したのは9時過ぎ。
公開開始時間も9時からなので絶妙なタイミング。
桜に錨は海軍のシンボルマーク。
自衛艦旗も美しく。 伝統墨守の海上自衛隊。
横鎮長官官舎は大正2年(1913)に建設。
建設時の横鎮長官は瓜生外吉海軍中将。企画設計は桜井小太郎。桜井氏はロンドン大学で学んだ日本人初の英国公認建築士で帰国後に海軍技師。呉時代に呉鎮司令長官官舎を設計。こちらは現在の入船山記念館(国重文)。
米国でステンドグラスの製作技法を学び、日本のステンドグラス草創期に業績を残した小川三知氏の作品。 館内には往時のステンドグラスが残る。
洋風館と和風館の接続建築。
洋風館部分は木造平屋建て、亜鉛葺切妻屋根、イギリス伝統のハーフティンバー(柱はそのままで間の壁を漆喰で埋める)の建物。
なお、もとは木造平屋建てですが、ぱっと見でレンガ造りぽくみえるのは、のちに煉瓦タイル張りに変更されたもので、もともとは木造板張りとのことで。 _φ(・_・
洋風館部分で特に美しいのが庭園側に張り出した切妻屋根に三連チューダーアーチを挟んだ位置にあるトンガリ屋根。 アーチ上には流造のような屋根と小窓、三角屋根の小窓も屋根裏のワンポイント。
和風館部分は二階建て。こちらは洋風館部分に対して簡素にして質素。 洋風館部分と和風館部分がくっついてひとつの建物として成立しているのが面白い。 呉鎮守府司令長官官舎(入船山記念館)もそうですが。
さて、館内を見学していきましょう。
建築当初は応接室として使われた一室。 現在は記念室として司令長官室的執務室的に展示されおります。
記念室展示。
おや、野村吉三郎さん。駐米大使で余りにも有名ですが海軍出身なのです。 軍令部次長ー呉鎮長官ー横鎮長官ー上海事変の第三艦隊司令長官ー阿部信行内閣外相ー開戦時の駐米大使ー戦後も色々…
記念室。展示。
本棚に収められた書籍が魅惑的すぎるっぽい。 施錠してあったけどw
歴代横須賀鎮守府長官
田戸台鎮守府長官官舎(横須賀鎮守府長官官舎)の歴代居住者。
建築当初は客室だった部屋。 室内にあるピアノは大正14年1925にドイツ・ハンブルクにて制作されたスタインウェイC型のグランドピアノ。 現在も演奏会で使用されている。
横鎮長官をはじめとする提督たちが揃いし空間を夢想させる長テーブル。
海気集 東郷平八郎書。
部屋には東郷平八郎の書が掲げられ、小さな像も棚にそなえられておりました。
洋風館の隣は和風館。
八畳間が二部屋。
窮理以致其知 東郷平八郎書。
儒学・朱子の一節。
廊下には海自艦のイラストが掲示されてました。
「しらせ」に「かとり」。 これはチョイスが渋い。
南極の石が寄贈されておりました。
桜を愛でる。
庭園からの眺望。
遠くに走水・観音崎を望む風光明媚の地。
この高台は「長官山」とも呼称されているのだ。
ちなみに立ち入り禁止でしたが、壕がありました。
こんな感じで約1時間。
横鎮長官官舎を見学させていただきました。
桜の季節のみの一般公開。
ゆっくりと歴史の重みを感じさせる趣を堪能させていただきました。 ありがとうございます。
となりは横須賀地方総監宿舎。
ちなみに撮ってはいませんが総監個人名の表札もぶらさがってました。 敷地内に掩体壕みたいなものが見えますね。
官舎から下り道を。こうしてみると高台(通称は長官山)にあるということが良くわかりますね。