池袋駅のほど近く、立教大学池袋キャンパス。
近代建築を散策してきました。
目次
立教大学 池袋キャンパス
立教学院平和祈念の碑
チャペル近くにひっそりと慰霊の碑があった。
立教学院平和祈念の碑
剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする
国は国に向かって剣を上げず もはや戦うことを学ばない (イザヤ書2章4節)
アジア太平洋地域の戦争で没した
本学院出身者の名簿をここに納める
2001年11月
立教学院
昭和16年(1941年)太平洋戦争開戦。
昭和17年、「基督教主義ニヨル教育」から「皇国ノ道ニヨル教育」に変更、チャペルを閉鎖し「修養堂」と改称。
昭和18年「学徒出陣」。文系学生は原則として全員が軍務に服することとなり文学部閉鎖。
立教大学からは658人(文学部23人、経済学部635人)の学生が入隊。
太平洋戦争に先立つ日中戦争下の昭和14年(1939年)に戦没した交友・教職員のための第一回慰霊祭がチャペルで執り行われた。昭和17年(1942年)の第四回慰霊祭までの戦没者30名の名前がチャペルに掲げられたタブレットに刻まれた。第5回目以降はチャペルが閉鎖され神道式での慰霊祭が執り行われた。
戦後、戦没者のうち在学中にチャペルで洗礼を受けた者とチャペル活動に積極的だった者の名がタブレットに刻まれ、昭和59年には昭和19年度卒業生のうちで戦没が明らかになった者の名も追加で刻まれたという。
チャペルに掲げられているタブレット
「名誉之戦死者」
人その友のために己の生命を棄つる之より大いなる愛はなし
そこには68名の名前が刻まれている
立教大学 池袋キャンパス
本館(モリス館)
東京都選定歴史的建造物
大正8年(1919年)竣工。立教大学のシンボル的な建造物。
米国聖公会宣教師アーサー・ラザフォード・モリス氏の寄付によって建てられたことから通称は「モリス館」。中央時計台の時計はイギリス・デント社製で直径90cm。池袋キャンパスのレンガ建造物は「フランス積み」で構築。
東京都選定歴史的建造物
立教大学本館(モリス館)、図書館旧館、諸聖徒礼拝堂、第1食堂、2号館、3号館
所在地 豊島区西池袋3-34-1
設計者 マーフィ&ダナ建築事務所
建設年 1818年(大正7)
礼拝堂聖別式 1920年(大正9)
立教大学の前身立教学校は、1874年(明治7)築地の開市場内に米国聖公会系の一私塾として開校された。その後、1918年(大正7)に現在の池袋に移転し、大学本館(モリス館)、図書館、寄宿舎、食堂、教授住宅等が完成し、礼拝堂は1920年(大正9)に聖別献堂が行われた。
大学キャンパスの基本計画は、ニューヨークの建築家マーフィ&ダナ建築事務所によるもので、大学の主要な機能をもつ大学本館を据え、左に図書館、右に諸聖徒礼拝堂(チャペル)を配して正面を構成し、さらに中央の軸線を延長して、中庭を囲んで学生食堂を中心に左右に寄宿舎を整える構成となっている。
各建物の意匠はゴシックリヴァイバル様式を基調とし、簡素でありながら重厚な赤レンガ造りでまとめられている。
東京都
立教大学 池袋キャンパス
本館(モリス館)内部
内部は洗練された美しさがある。
2012年に改修工事が行われ、全館バリアフリー化対応。現在も教室として使用されている。
立教大学 池袋キャンパス
図書館旧館
メーザーライブラリー記念館
東京都選定歴史的建造物。
大正8年(1919年)竣工。
平成24年(2912)まで図書館として使用され、平成26年からは「立教学院展示館」として活用されている。本館の向かって左側。建設時に大きな貢献があったサミュエル・メーザー氏に由来する。
立教大学 池袋キャンパス
諸聖徒礼拝堂(チャペル)
東京都選定歴史的建造物。
大正5年(1916年)に定礎式がおこなわれ、大正8年(1919年)に竣工。
立教学院創立者
主教 ウイリアムス之像
人の子がきたのも
仕えられるためではなく
仕えるためであり
また多くの人の
あがないとして
自分の命を
与えるためである
立教学院創立者
主教 ウイリアムス之像
昭和42年5月18日建之
立教大学 池袋キャンパス
第1食堂
東京都選定歴史的建造物。
大正7年(1918年)竣工。 イギリスの寄宿舎を思われる様相。
入口にはラテン語で「 APPETTTVS RATIONI OBEDIANT (食欲は理性に従うべし)」と記載。これは哲学者キケロの「欲望は理性に従うべし」をもじったものという。
立教大学 池袋キャンパス
2号館
東京都選定歴史的建造物。
大正7年(1918年) 、「寄宿舎東寮」として竣工 。
寄宿舎は1932年に閉鎖され、その後は教室や研究室として使用。
立教大学 池袋キャンパス
3号館
東京都選定歴史的建造物。
大正7年(1918年)、「寄宿舎西寮」として竣工。
立教大学 池袋キャンパス
4号館
昭和12年(1937年)、「予科校舎」として竣工。
現在は4号館(理学部研究室)。
立教大学内では珍しいレンガ造り以外の建造物。
神の栄光と
国民教育の
ため
昭和12年4月
立教大学 池袋キャンパス
ライフスナイダー館
1926~27年(大正15~16年)にかけて校宅として建設された。空襲や再開発などによって10棟あった校宅は現在は、ライフスナイダー館のみを残す。
この建物は明治45年(1912)に立教学院総理として池袋校舎建築に尽力されたライフスナイダーの邸宅であった。ライフスナイダーは日米関係悪化により昭和15年(1940)に立教学院を辞任している。
現在は1階をレセプションルーム、2階を院長室や立教英国学院東京事務所などに使用されている。
江戸川乱歩邸
ほか立教大学関係の戦前建造物としては、「江戸川乱歩邸」がある。
邸宅は昭和9年(1934)、書庫として使われた土蔵。豊島区指定有形文化財。
平成14年(2002)に立教大学管理となり、公開日限定で公開されている。
2023年現在、公開日は毎週月曜日と金曜日。平日限定。
※江戸川乱歩邸は2023年2月撮影
※それ以外の立教大学関連は2022年2月撮影