文京区では初の指定天然記念物(文京区指定天然記念物)。
戦災をくぐり抜けたムクノキの巨木に会ってきました。
善光寺坂のムクノキ
伝通院の鎮守であった澤蔵司稲荷の御神木。
第二次世界大戦中の昭和20年(1945)5月25日の空襲で樹木上部が焼けて欠損し、樹幹下部もその空襲によって幹に炭化した部分が見受けられる。
善光寺坂 のムクノキ
文京区指定天然記念物
所在地 小石川3丁目18番(ポケットパーク内)
指定 平成25年3月1日
樹高約13m(主幹約5m)、目通り幹周約5mを測る推定樹齢約400年の古木 である。第二次世界大戦中、昭和20年5月の空襲により樹木上部が焼けてしまったが、それ以前の大正時代の調査によると樹高は約23mもあった。
ムクノキは、ニレ科ムクノキ属の落葉高木である。東アジアに広く分布し、日当たりのよい場所を好む。成長が早く、大木になるものがある。
この場所は江戸時代、伝通院 の境内であった。その後、本樹は伝通院の鎮守であった澤蔵司稲荷 (たくぞうすいなり)の神木 として現在に至っている。
樹幹上部が戦災により欠損し、下部も幹に炭化した部分が見受けられるが、幹の南側約半分の良好な組織から展開した枝葉によって樹冠が構成されている。枝の伸び、葉の大きさ、葉色ともに良好であり、空襲の被害を受けた樹木とは思えないほどの生育を示している。
本樹は、戦災をくぐりぬけ、地域住民と長い間生活を共にし、親しまれてきたものであり、貴重な樹木 である。
平成26年1月
文京区教育委員会
戦争の爪痕を遺しつつも、力強く立派なに枝を伸ばしている樹木。
善光寺坂。寺町にある坂道。よい風情。
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澤蔵司稲荷
場所
澤蔵司稲荷 (たくぞうすいなり)
小石川善光寺
ちかくにある料理学校。
明治15年(1882年)日本で最初の日本で最初の家庭料理の学校として開校した「赤堀割烹教場」以来の伝統を誇る日本最古の料理学校とのことで。
※撮影:2022年12月
関連
5月25日の空襲は、東京にとどめを刺した「山の手空襲」。