和泉町ポンプ所(千代田区・2023年解体)

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2023年5月16日から解体工事となり消失しました


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東京都下水道局「和泉町ポンプ所」

大正11年竣工の鉄筋コンクリート2階建ての建造物。
大正11年(1922)8月に稼働開始。現存する日本初のポンプ場のひとつ(だった)。
大正11年3月に運用開始となった三河島処理場(旧三河島汚水処分場喞筒場施設)とともに整備された。
関東大震災と東京大空襲の猛火をくぐり抜け、今日まで約100年近く現役の施設(だった)。近隣の汚水をポンプで吸揚し、三河島の水再生センター(三河島汚水処分場)に送水をしていた。
なお、数年前までは、古い煉瓦壁が道路沿いに残っていたが2018年以降に撤去されている。

大正11年竣工。翌年大正12年9月1日には、関東大震災が発生。周辺が焼け野原になる中で、この神田和泉町・神田佐久間町周辺は、周辺住民の消火活動により防火に成功。押し寄せる猛火を、前年に竣工したばかりの和泉町ポンプ場の水などを活用して、延焼防止に役立てたという。
旧神田区では関東大震災で94%が焦土となる中で、神田和泉町周辺の1630戸は奇跡的に焼け残った。
昭和14年には、和泉町ポンプ所は「関東大震災 町内協力防火守護の地」として顕彰されている。

https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/kanko/newstokyo/240/5/index.html

東京都下水道局ではペーパークラフトも用意されている。

https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/living/kids/corner/paper/index.html

※解体となり、上記のリンクはすべて削除された模様。。。


2021年1月訪問時の写真

※クリックで拡大可

場所は秋葉原駅のほど近く。


解体前の2023年4月再訪

解体ときいて、直前に再訪して記録写真を。

解体工事のお知らせ
この建築物を、下記の通り解体します。
解体工事の名称:旧和泉町ポンプ所解体工事
工期:令和5年5月16日から令和5年9月29日まで

以前(2021年)に門扉に掲げてあった「神田和泉町思い出マップ」は既に撤去されていた。。。

いろいろと思うところはあるが、ポンプ場は役目を終えて、いまは解体を待つ状態であった。

※追加撮影:2023年4月


関連(近隣の史跡)

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コメント

  1. とし より:

    こんにちは。この施設の近くに実家がありますが、先週通りかかったところ、千代田区により、「来月2023年5月16日から、解体される」そうです。とても残念です。

  2. 近藤 より:

    派遣作業員です。二週間前にこのポンプ場の解体工事で作業をいたしました。
    鉄骨も当時のままで、地下10メートル下の地層もはっきり見えて感慨深かったです。

    昔の作りなので鉄骨に木材を貼り合わせていましたが、木材は堅くて中々折れませんでした。

    鉄骨はボルトではなく、リベット打ちでした。

  3. とし より:

    子供の時からそこに当たり前に存在していた施設が解体となり、大変ショックでした。
    しかし、Date-SKN様、近藤様とその事実をここに共有し、Date-SKN様がしっかり記録を残してくださったこと、何よりも心の救いとなりました。ありがとうございました。

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