陸軍士官学校周辺の戦跡散策。その1は、富士山公園の「陸軍士官学校遙拝所方位盤」、その2は「座間公園」でした。 その3では、水道施設を見て歩きます。
陸軍士官学校では、陸軍軍人だけではなく、士官養成のために多くの軍馬も飼育していた。人馬ともに必須となるのが「水」。士官学校のおかれた座間は、多くの谷戸を有し湧水や地下水が豊富にある土地であった。
目次
座間谷戸山公園
座間市役所のすぐ近くにある座間谷戸山公園。陸軍士官学校=キャンプ座間の地からは、南東に位置している。
陸軍士官学校の遥拝所があった富士山公園と谷戸山公園はそれぞれが山地となり、その間の谷を小田急が走っている。
位置関係
国土地理院航空写真
地図・空中写真閲覧サービス
ファイル:USA-R355-95
昭和22年(1947年)10月24日、米軍撮影の航空写真
上記を一部拡大、加工。(クリックで拡大可)
座間谷戸山公園
陸軍士官学校の水道施設(配水地)
陸軍士官学校(現在のキャンプ座間)に水道水(地下水)を送るために作られた施設。
谷戸山という不思議な地名にも現れている通り、この界隈は、文字通りに谷戸が多く、人馬ともに必須となる水が豊富に湧く土地でもあった。
陸軍士官学校から、米軍基地に形はかわっても、今も給水施設がこの地にあった。
現在も米軍の管理下。今も昔も自由に立ち入りはできない軍事用地。
WARNING
RESTRICTED AREA
Keep Out
Authorized Personnel Only
警告
許可なき者立ち入り禁止
陸軍時代当時のものと思われる門柱が寝そべっていた。
礫(小石)の交じるコンクリート。
もう1本の門柱は、今も立っていた。
近くには、陸軍境界標石(陸軍境界杭)もある。何故か、黄色くなっている。
手前の防衛施設庁の杭は倒れそう。
おそらくは埋め込んだ深さが違うのだろう。その点、陸軍の境界杭はしっかりしている。
ここにも。埋もれていて見つける難易度が高い。
草を掻きわけた。出てきました。
この左側に上記の2つ境界石を見つけた。この界隈には他にも有るらしいが見つけられなかった。。。
配水地
県立座間谷戸山公園
北入口付近からみた眺望。
左が谷戸山公園の森、右が富士山公園の森。富士山公園には陸軍士官学校の遥拝所がある。
富士山公園の向こう側が、かつての陸軍士官学校。
場所
目久尻川・上栗原橋右岸(西側)
陸軍士官学校の水道施設(第1水源地)
座間谷戸山公園から南東側に歩む。陸軍士官学校とは逆の方向に。
目久尻川が作り出した低地に、陸軍士官学校の水源地のひとつがある。「第1水源地」
さらに東側(芹沢公園の西側の谷戸)にある「第2・第3水源地」から送られてきた地下水と合せて北西方向にある前述の座間谷戸山公園内の「配水池」へ送水している、という。
現在は、米軍キャンプ座間の管理下にある。
もちろん立ち入り禁止。
上栗原橋
目久尻川・上栗原橋左岸 (東側)
陸軍士官学校の水道施設(第1水源地)
目久尻川を挟んだ対岸(東側)に八角形の建物がある。陸軍士官学校時代の建物と推測。用途は不詳。
同じく、現在も米軍キャンプ座間の管轄にある。
この界隈をぐるぐると歩いてみましたが、境界標石は見つかりませんでした。
場所
西老場
陸軍士官学校の水道施設(第2・第3水源地)
前述の「第1水源地」から更に東に歩く。栗原中学校の東側に谷戸がある。谷戸の先は、芹沢公園。芹沢公園といえば、高座海軍工廠の地下壕もある。同じエリアに陸軍の水源地もあった、ということになる。
もちろん、立ち入りできない。
航空写真で見てみると、2つの建屋があることが分かる。
場所
ここまでくると芹沢公園がすぐ近く。高座海軍工廠の地下壕があった場所。せっかくだから足を運ぶのもよいだろう。
※撮影:2021年12月
その4で米軍基地、です。
行程
この日は「陸軍士官学校の戦跡散策その1」「その2」「その3」「高座海軍工廠の地下壕と台湾少年工顕彰碑」の4つを1日で回りました。
距離は約20キロ、6時間30分の散策、でした。。。(下記タイムラインは一部GPSが乱れてます)