2025年6月。
練習艦隊「かしま」「しまかぜ」が、横須賀港(逸見岸壁)から東京港に航行するタイミングにあわせて、運良く乗艦する機会がありました。横須賀水交会(水交会横須賀支部)の部隊研修として、貴重な体験航海の模様を以下に写真中心で掲載。
ちなみに、乗艦に際しては、海上自衛隊横須賀地方総監部の正門に「朝7時集合」ということで、家からでは始発でも到達できないので、近隣で前泊しての参加、でしたが、艦に乗れるのであれば、なんてことないです。

東京湾を北上する「かしま」と「しまかぜ」
目次
練習艦「かしま」
TV-3508
練習艦「かしま」。旧海軍の戦艦「鹿島」、練習巡洋艦「鹿島」に次いで、艦名としては3代目。
1993年4月20日起工、1994年2月23日進水、1995年1月26日就役。
母港は「呉」。
練習艦隊直轄艦、練習艦隊旗艦。
2025年は6月13日から、「かしま」「しまかぜ」にて、一般幹部候補生75期の実習幹部を乗せ遠洋練習航海へと赴くこととなる。
練習艦「しまかぜ」
はたかぜ型護衛艦の2番艦。艦名としては3代目。
1985年1月13日起工、1987年1月3日進水、1988年3月23日就役。2021年3月19日、練習艦に種別変更。
練習艦隊第一練習隊に所属、定係港は「呉」。
出港前の練習艦隊(横須賀地方総監部逸見岸壁)
壁岸壁に停泊する練習艦隊。
「かしま」と「しまかぜ」



「かしま」乗艦
午前7時すぎ。
ちなみに、招待者ゆえ、手荷物検査は一切なし、で。
「かしま」に乗艦です!!


雨が厳しいことがわかっていたんで、カッパで。
「しまかぜ」出港
「かしま」の隣に停泊する「しまかぜ」が先行して出向していきます。

ちなみに「しまかぜ」に乗艦することも任意選択で可能でしたが、やっぱ「かしま」でしょってことで。なにげに「かしま」に乗艦したのも今回が初めて。


「73式54口径5インチ単装速射砲」の存在感。








「しまかぜ」が離れていきました。







すごい旋回で一気に離岸。


曳舟(タグボート)が大活躍



「しまかぜ」出港

「かしま」出港
つづいて、「かしま」も出港です。

通称「オランダ坂」と称される傾斜は、後甲板と中甲板を結んでおり、艦上体育で艦の全周がランニングできる構造になっている。

出港に際しての立ち入り制限

タグボート




出港!







おっ、米軍の揚陸艇ですね。トラックが小さく見える。

「かしま」11メートル作業艇の揚艦
吉倉護衛艦A桟橋から、作業艇が近づいてきました。


「かしま」に接舷し、揚艦されます。







おお。作業艇を引き揚げる光景、始めて見ました!!

「横須賀」吉倉桟橋の様子
2025年6月3日の吉倉桟橋の様子。

「いかづち」むらさめ型護衛艦の7番艦

左から
「たかなみ」たかなみ型護衛艦の1番艦
「あがの」もがみ型護衛艦の6番艦
「くまの」もがみ型護衛艦の2番艦
「もがみ」もがみ型護衛艦の1番艦

「かしま・特別公室」
国家元首級の来賓を想定し、公式儀礼をおこなう内装が配慮された特別公室。
練習艦隊旗艦として、世界各国に寄港する「かしま」だからこその内装。

窓の外は前甲板

日本国練習艦隊
JAPAN TRAINING SQUADRON






この帽子、欲しい、、、


第65代練習艦隊司令官 渡邉海将補
海将補は旧軍における海軍少将
ちょうど、プレスの取材を受けていました。

特別公室への入口も豪華


初代戦艦「鹿島」の水差し
特別公室の机に、凄いものがありました。
初代戦艦「鹿島」の水差し
この水差しは、初代戦艦「鹿島」士官室で使用されていた水差しです。平成10年4月9日横須賀において、作家の阿川弘之氏が来艦された際、本艦に寄贈していただきました。
初代戦艦「鹿島」
143.3m 16,400t
明治39年5月23日~大正12年9月20日


初代 戦艦「鹿島」
士官室用水差し
平成10年4月9日
作家 阿川弘之氏 寄贈

「かしま神社」(練習艦かしま神社)

かしま神社由来
由緒
日本の船には古くから慣習として、船霊様(航海安全の守り神)を祭っております。
本艦もこの例にならい就役に先立ち、平成7年1月12日に本艦の命名地の氏神様である鹿島神宮の分社として入魂式を行い、平和と本艦の航海安全、乗員一同の健康を守る船霊様を祭っております。
例祭 1月12日
鹿島神宮由来
鎮座地 茨城県鹿島郡鹿島町
御祭神 武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)
由緒 神代の昔に、天照大神の御命令により出雲の国に天降り、大国主命と話し合って、日本の国を一つにまとめられた神様です。
その後、日本中を歩かれ最後に関東地方の開拓と鎮撫に当たられ、当時水陸交通の要所であった鹿島に鎮まられ、地霊を鎮め氏子を異境の神々から守り、航海の安全を司る海の神様として全国の人々より崇敬されています。
例祭 9月1日


自衛艦命名書
本艦をかしまと命名する
平成6年2月23日
国務大臣防衛庁長官 愛知知男


「かしま・13メートル将官艇」
通常の護衛艦に搭載されている11メートル作業艇とは別に、13メートル将官艇も搭載されているのが「かしま」の特徴。


「かしま・76ミリ速射砲」
62口径76ミリ速射砲
オート・メラーラ社第2世代の62口径76ミリ砲(コンパクト砲)





前甲板の76ミリ速射砲
「かしま・前甲板」
手前に見えるのは、「礼砲」

すれ違うのは、オーストラリア海軍 ホバート級駆逐艦シドニー(HMAS Sydney DDG-42)

右舷1時の方向に「しまかぜ」
エモい。。。






「かしま・訓練甲板(後甲板)」
雨降る訓練甲板で作業する海自隊員







もうね、艦尾の自衛艦旗のゆらめきをずっと見ていたい。




この台は、栄誉礼用のお立ち台である。
上に物を置いたり、もたれ掛かったり、掃除用具盗ったりするな。
射撃員長
突然の掃除用具w
そして管轄が射撃員長、、、


「しまかぜ」の台が「かしま」に置きっぱなし。。。

「かしま・下後甲板」
訓練甲板の下。


「かしま・甲板」
航行中に、制限なしで、甲板をいったりきたり。
雨なので人が少なくて、ある意味で快適。。。

前方に「しまかぜ」
右舷に転回したもよう。








潜水艦救難艦「ちよだ」



ん?
帆船?
これは、二代目「日本丸」か!




東海汽船の「セブンアイランド・友」






「かしま・艦橋」
雨だから、艦内が特に混み合ってました。
(逆にいうと甲板は、空いていました)










人員
総員 163名
幹部 19名
曹士 143名
入院 0名
休暇 16名
その他 2名
現在員 144名
司令部 51名 1名
実習幹部 195名
その他 297名
合計 687名
わたしを含めた便乗乗客が297名いるのかな、ですね。

0745 横須賀出港
1100 東京国際ターミナル入港

「かしま・食堂」
昼も夜も、どんぶり!


ポップコーンと綿菓子の振る舞いがありました。



「かしま・操縦室兼応急指揮所」
こんなところも見せてくれました、良いの?




「かしま・士官室」
士官室

「ましか」と「かしまる」



「かしま・艦内」

日本国 練習艦隊 旗艦 TV3508 KASHIMA





WAVE区画
お、男子禁制のエリア
WAVE=Woman Accepted for Volunteer Emergency Service

「かしま・実習員講堂」
雨だから、実習員講堂は、常に満杯でした。
せっかく自衛艦(練習艦)に乗っているのだから、あっちこっち見に行かないと損だとばかりに、私はかっぱを着込んで、雨を機にせず甲板をウロチョロしてました。
実習生を170名は収容できる講堂。

東京国際ターミナル到着で、下艦が始まったあと。



「かしま・東京入港」
1030ごろから入港準備、11時15分頃に下艦でした。

タグボートのお世話になります。


着岸準備


東京国際ターミナルを海側から見たのは、始めてでした。





ロープを投擲





着岸し、階段を展開

「しまかぜ・入港」
かしまの着岸が完了し、「しまかぜ」が「かしま」の左舷に横付けされます。



近づいてくる「かしま」
エモい














東京国際クルーズターミナル
11時35分に「かしま」を下艦。
約4時間をみっちり「かしま」堪能してしまいました。
ちなみに以前は「晴海」でしたが、現在は晴海に停泊ができなくなったとかで、「東京国際クルーズターミナル」に着岸。レインボーブリッジをくぐることもなくなってしまったのだ。











雨の体験航海というのも、なかなか貴重な時間。
雨ゆえに、甲板は人が少なく、それはそれで逆に得難き光景にも出会え、非常に貴重な体験を得ることが出来ました。
海上自衛隊横須賀地方総監部のご配慮に感謝します。
撮影機材:今回本格的に役に立った防水カメラ「PENTAX WG-1000」が8割で、残りは「PENTAX KP」とスマホ、でした。
撮影:2025年6月3日

