「桜花」発射の行川基地跡(いすみ)

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千葉県いすみ市。
いすみ鉄道「上総中川駅」の北側の山中に、桜花の発射基地があった。


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桜花

「桜花」
この美しき言霊は、時に残酷な言霊でもあり。

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桜花四三乙型(桜花43乙型)

ネ20ジェットエンジンを搭載し、300km近い航続距離を得たタイプ。
陸上からのカタパルト発進を行う予定で開発された。
また特徴としては、自力飛行で基地移動が可能となるように設計されており、より「飛行機」に近い形となった。その為、無線と落下傘も装備が予定されていた。トンネル式格納庫に収める為に主翼は折り畳み式で、さらに突入時に加速がつくよう翼端が火薬により切り離せる構造になっていたが、これは可変翼実用化のはしりであったという指摘もある。
実物木型模型は1945年4月に修了、海軍航空技術廠と愛知航空機で量産準備を進めていたところで終戦を迎えている。
この型ではエンジンと燃料タンクの設置のため爆弾重量は800kgに減らされていた。

※参照:Wikipedia 桜花 (航空機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%9C%E8%8A%B1_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)#%E6%B4%BE%E7%94%9F%E5%9E%8B

千葉県房総南部には、12基の桜花発射用カタパルト(桜花43乙型発射基地)が建設されていた。
行川基地には、桜花が配備されることなく、終戦を迎えている。


特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡

いすみ市指定史跡
特攻機「桜花四三乙型」行川基地跡
平成十六年三月二十三日指定

 航空特攻兵器として有名な「桜花」の基地がこの地に建設され、現在、格納庫用の洞窟と旋回盤跡が残っています。
「桜花」はまず、一式陸上攻撃機の胴体下に吊るして目標付近まで曳航させ、滑空もしくはジェットエンジンで敵艦船に体当たりするグライダー型の「一一型」及び「二二型」が開発されました。
しかし、本土決戦の意識が高まってくると、近海に押し寄せるアメリカ艦船に対して、本土から直接発進させ激突させようとする計画が持ち上がりました。
この計画によって開発されたのが、頭部に八〇〇キロ爆弾を搭載した、単葉タービンロケット推進の脚なし単座特攻機「桜花四三乙型」です。
これは、山間部から海上に向けて射出するために、非常に高い初速が求められ、そのための高性能のカタパルトの開発は昭和二十年二月、「桜花四三乙型」本体の開発は三月から始まりました。

五月には横須賀鎮守府が、桜花四三乙型噴進射出装置基地施設構築を命じました。
基地候補地のうち八月末に使用可能を目標として工事に着手したのは伊豆半島の十国峠および竹ノ沢、筑波の五輪堂および閉居山、房総半島南部の上滝田および下滝田(南房総市)、房総半島東部では黒原(大多喜町)およびこの行川の八か所でした。
 『中川小学校沿革史』によると、基地は七月二十六日に滑走路が完成したとありますが、それ以降も勤労奉仕が続いたとあるので、工事はまだ続いていたようです。
しかし、八月十五日の終戦までに、「桜花」が基地に届くことはなく、その役目を果たすことはありませんでした。
【格納庫の寸法】
 奥行 三十六・五m
 高さ 五・二m
 幅  四・五五
 旋回盤の直径 三m

基地跡はこの奥約60mの場所にあります。

※崩落の危険があるので、格納庫内部には立ち入らないで下さい。
  いすみ市教育委員会


位置関係

国土地理院航空写真
地図・空中写真閲覧サービス
ファイル:USA-M399-116
1947年8月11日、米軍撮影の航空写真。

一部拡大

現在の様子と照合


桜花行川基地跡の散策(格納庫跡と旋回盤跡)

桜花四三乙型の格納庫跡と旋回盤跡(ターンテーブル跡)が残っている。

貴重な戦跡。

格納庫の手前に旋回台がある。

旋回台は、直径約3メートル

アンカーボルトが残る

格納庫

※崩落の危険があるので、格納庫内部には立ち入らないで下さい。

入口部分から、内部を見学する。

内部には、翼を折りたたんだ桜花が2機格納できたという。奥行きは36.5m。

左右に溝が掘ってある。

右側

左側

格納庫の床面。排水用に斜面が設けられている。

なお、案内看板近くの道路斜面には、カタパルト部分の基礎も残っているというが、茂みで基礎は確認できず。

実際は配備が間に合わなかった、桜花発射基地。
間に合わなかったことが、何よりも救いであり。


桜花行川基地跡へのアクセス

場所

Google マップで地図を検索。乗換案内、路線図、ドライブルート、ストリートビューも。見やすい地図でお店やサービス、地域の情報を検索できます。世界地図も日本語で、旅のプランにも便利。

旧いすみ市立夷隅小学校(現在はJapanNextが使用)の脇の細道をのぼっていくと、いすみ市が設置した看板がある。

季節によっては、藪こぎになるので注意。

道中の右手にパレットで造られた階段の道があるが、それは罠なので、パレットは気にせずに直進を。

桜花の搬出路跡の小道をすすんでいくと、格納庫に到着します。

搬出路跡

周囲は水気に帯びているので、季節に寄ってはぬかるみにも注意が必要。。
カエルさんもいました。

ちなみに、私はレンタサイクル(いすみ鉄道・国吉駅)でアクセスしました。
ほかにも寄ってみたいところがあったので。

廃校となった夷隅小学校。

JAPANNEEXT。一部の界隈では有名なモニターメーカー。


いすみ鉄道

アクセスには、いすみ鉄道を利用しました。

かつての国鉄木原線。昭和5年に大原駅‐大多喜駅間が開業している。

大原駅にて。

国鉄木原線廃線に伴って第三セクター線として、昭和63年に「いすみ鉄道」が開業。
愛称は「い鉄」。

ちょうどお昼時だったので。
駅で「大原漁港 漁師のまかない飯」を購入。

美味。
外房名物、鯵(アジ)の「さんが焼き」そぼろご飯。

国吉駅。ここでレンタサイクルを借りました。

いすみ鉄道の有名撮影ポイント。
かなり久しぶりに走行撮影にチャレンジ。

キハ52 125号車も走っていました。
桜花行川発射基地の南側に鎮座する妙泉寺の門前踏切にて。


ポッポの丘

一部の界隈で有名な「ポッポの丘」

立ち寄ってみました。

懐かしいですね。銚子電鉄の701号と702号。

実は、戦前の車両なんですよ。

デハ700形は、銚子電気鉄道が1978(昭和53)年に導入した車両。
もとは、近江鉄道モハ51形電車。近江鉄道の全線電化に合わせて1928(昭和3)年に川崎造船所で製造された。

ほかにも懐かしい車両の大集結。

ここは、時間をつくって、ゆっくり見学したい、、、ですね。

場所

Google マップで地図を検索。乗換案内、路線図、ドライブルート、ストリートビューも。見やすい地図でお店やサービス、地域の情報を検索できます。世界地図も日本語で、旅のプランにも便利。

いすみ鉄道 国吉駅

国吉駅でレンタサイクルを返却して、大原駅から帰路へ。

ちなみに、い鐵揚げ、美味しいので是非に。

※撮影:2023年5月


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