平成29年11月撮影 高幡不動
戦争末期。苦肉の策として航空燃料原料としての利用が試みられたのが「松から採取された油」であった。しかし労力と効率の割が悪く、また粗悪のために実用には至らず。 松の根からは「松根油」、樹皮からは「松脂油」が採取されたという。
その痕跡を高幡不動で探してみました…
今回は高幡不動で「戦時中に松脂油を採取された松の木」探しを。
高幡不動尊の裏山、愛宕山はかつてはクロマツ群生地であったようで。
看板には「現存するものにも、ほとんどが第二次大戦中の樹脂(松やに)採取の傷あとを根元に刻み込んでいる」と記載あり。
これも戦跡のひとつ…
東南の松。樹齢は350年以上と推定され高さは約25メートル。高幡不動愛宕山では最も大きい古木という。
その根元近くには「樹皮をV字型に傷つけて松ヤニをとった跡」が残っておりました。
この切傷に違和感を感じても、これが松脂油の採取痕跡だと言われなければわからない傷跡…
こうして切り刻まれたから70余年ほど経っていても、その傷跡は松の古木たちに「当時を偲びし歴史の一幕」として残っている。
高幡不動愛宕山の山中で松を見かけたら根元をよく見てみて下さい。
大なり小なり、刻まれた跡が残っています。
これもまた戦跡・・・
今回は(平成29年11月23日)、高幡不動で松を探してみました。
都内ではこの「高幡不動」の他には「井の頭自然文化園」にも戦争当時を偲びし松が残っている。
紅葉を愛でながら、松の幹で戦争を偲ぶというのも不思議な心持ちではありますが…