埼玉県川越市。
西武川越線「南大塚駅」から「安比奈駅」を結んでいた貨物線。
日本の近代化を支えた砂利鉄道の跡を散策してみる。
本記事は、「その2」です。「その1」は以下から。
「砂利鉄道」と「西武安比奈線」
入間川で採取した砂利運搬を目的とした「砂利線」として、1925年(大正14年)2月15日に開業。
砂利の需要減や採取規制強化により、1963年(昭和38年)休止。2017年(平成29年)に正式に廃線となった。
1900年代初頭に河川敷で採取した砂利を首都圏でのコンクリート建設資材などで活用するために「砂利鉄道」の敷設が相次いだ。東京近郊では入間川や多摩川などで砂利採取が活発であった。
しかし砂利採取は、堤防の破壊、河床面の低下、水質汚染などを巻き起こすこととなった。
戦後、1964年に多摩川、相模川、入間川、荒川などの主要河川での砂利採取は全面禁止され、近代化を支えていた砂利鉄道の役目も終わった。
ちなみに、安比奈は「あひな」と読む。
西武安比奈線では、かつて鉄道聯隊で活躍していた蒸気機関車も戦後、「安比奈のコッペル」として走っていた。
西武安比奈線廃線跡の散策
西武池袋線「南大塚駅」。北東方面にかつての線路跡が伸びている。
沿線に沿って歩いてみようと思う。
続きの場所はここから、
廃線跡近くの小路から線路が見えた。ちょっと覗いてみる。
あぁ、これは良いですね。
道路と交差。
橋が見えた。
かつて、遊歩道として公開されていたらしいが、いまは再び封鎖。
再度の木枠は遊歩道時代の名残。
そのまま廃線跡を意識しながら、脇のあぜ道をあるく。
廃線跡と交差しながら。
良いカーブ。木の成長が根っこでレールを持ち上げている。
レールが盛り上がってる。。。
場所
廃線跡は、川越越生線「八瀬大橋」によって分断。
八瀬大橋をくぐって、反対側に。
入間川の河川敷へ。
バイクの講習コースがとなりに。
場所
切断時に、変な力が加わったのか。すごい曲がり方をしている。
SKマテリアル安比奈工場が、今も砂利を採掘しており、入間川の南北にパイプラインが渡されている。
その下を、安比奈線の廃線跡が伸びる。
伐採されていた。
根っこがすごい。
根っこの力で、レールが浮いている。
しかし、力強い根を這わせていた樹木は伐採されてしまった。
安比奈駅にむかってレールが分岐している。その後、分岐点を遮るかのように、大木が立ちふさがり、そしてその大木は伐採され、分岐するレールと切り株が、無用のものとして残った。
すごい光景。
レールを遮る切り株。正直いってわけがわからない。
この先は、安比奈駅跡。
場所
安比奈駅跡。
砂利鉄道として、近代化を象徴するコンクリート建材を運び出していた鉄道は、戦後に需要が低下し、そして、廃線。廃線跡のレールを押しのけるかのように成長した樹木も伐採され、不思議な空間が目の前に広がっていた入間川河川敷の安比奈線。なかなかの見応えでした。
11時に南大塚駅を散策開始し、12時30分に安比奈駅跡に到着。
そこから南大塚駅に戻ってきたのが、13時15分。
約8キロで2時間15分、でした。
※撮影:2022年2月