千葉県内に残る鉄道連隊の戦跡。千葉や習志野、津田沼界隈に多く残っている。
当サイト内でもいくつか掲載をしてきていた。
今回は、千葉経済大学の構内に残る、貴重な煉瓦建造物を見学(外観のみ)。
目次
位置関係
国土地理院航空写真
地図・空中写真閲覧サービス
ファイル:USA-M504-168
昭和22年(1947年)9月24日、米軍撮影の航空写真。
千葉駅周辺の軍事施設跡など。
市内に点在している案内看板より。
上記の米軍航空写真から該当部分を拡大。
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鉄道聯隊材料廠煉瓦建築
千葉経済大学。北側の駐車場側から、建物の全貌がよく観察できる。
千葉県指定有形文化財
旧鉄道聯隊材料廠煉瓦建築
この煉瓦建築は、明治41年、鉄道聯隊材料廠の機関車の修理工場として建築されたもので、その後昭和20年旧日本国有鉄道が大蔵省から借り受けて、レール等の修理工場として使用、昭和60年から千葉経済学園の所有となったものである。
千葉県内に数少い明治年間創建の大規模な煉瓦建築の一つであり、特に内部の東西方向に二列に連なった十連の雄大なアーチ構造は、全国的にも他に比類がなく、この建物の主な特色となっている。
従って、我が国明治期の煉瓦建造構造を知る上で極めて重要であり、近代建築史及び煉瓦建築の歴史を考える上でも貴重な建物である。
右の理由により、千葉県指定有形文化財として指定をうけたものである。
一、指定年月日 平成元年3月10日
一、構造 煉瓦造アーチ構造、木造小屋組
一、面積 695.6平方メートル
千葉経済学園
千葉県指定有形文化財
旧鉄道聯隊材料廠煉瓦建築
所在地 千葉県稲毛区轟町3-59-6
所在者 学校法人 千葉経済学園
指定日 1989(平成元)年3月10日
この建物は1908(明治41)年、旧鉄道連隊の材料廠※として建築された。大正時代には旧陸軍の兵器庫としても利用されていたが、戦後は大蔵省、国鉄と引き継がれ、1985年(昭和60)年に千葉経済学園の所有となり現在に至る。
主要部分は、54.4m×7.3mと細長い長方形で、煉瓦の積み方は、段ごとに小口面と長平面とが交互に現れるイギリス積と呼ばれる技法を用いている。
県内では数少ない明治時代の大規模な煉瓦建築であり、10連の雄大なアーチ構造は、全国的にも類例がない。我が国の近代建築史における初期煉瓦建築の構造を知る上で、極めて重要かつ貴重な建築である。
※廠:壁の仕切りがない、広い建物のこと。向上、倉庫。
案内板から、内部写真を拡大。
西側。
上部の左側にヒビが確認できる。
建物の南側。
軌道が確認できる。
建物の東側。
ガラスから建屋を除いてみた。
素晴らしい煉瓦建築。
関東大震災を耐えた明治期の煉瓦建築は、極めて貴重なものではあるが、2011年の東日本大震災以降は、危険のために内部立入禁止となっている。
場所
※撮影:2022年6月