令和のとある冬に。
京王線代田橋駅のすぐ近くに古風で壮大な建物が残っていた。
聞くところによると、近々で建て替えになるとのことで、いま残っている歴史的建造物を慌てて記録してきました。
位置関係
上から見ると、特徴的な建造物の様子を知ることができる。
円形が、一号配水池
方形が、二号配水池
1947年11月28日-米軍撮影航空写真(国土地理院-USA-M676-211)
2009年4月27日-国土地理院航空写真(国土地理院-CKT20092-C67-20)
そして2020年の航空写真。
すでに方形の二号配水池は解体済み。円形の一号配水池を残すのみ。
Google航空写真(2020)
和田堀給水所一号配水池
大正元年(1912)9月に東京市の水道拡張事業が認可され、翌年より着工。
和田堀給水所は2つの配水池が設けられていた。
一号配水池 昭和9年(1934年)竣工
二号配水池 大正13年(1924年)竣工
現在、和田堀給水所は、二号配水池が解体され建て替え工事中。
給水を止めることができないため、新しい二号配水池が完成するまでの間は、一号配水池は引き続き稼働。
二号配水池完成後に、この歴史的な建造物=一号配水池も解体され新たな配水池が建造予定。
細部のデザインにこだわりを感じる。
八角形の排気塔
付随する建造物
階段のデザインも美しい
東京都水道局 和田堀給水所
建築計画
完了予定は平成34年3月31日=令和4年=2022年
建造から80年以上が過ぎ、老朽化と耐震性、給水量の問題などがあり、解体の上でリニューアルとなる、歴史的建造物。
しかし、歴史的建造物であるまえに、現役の給水設備建造物。
現役の給水設備建造物であるがゆえに建て替えを余儀なくされている。
惜しむらくは、すでに二号給水池が解体された後に、興味を持ち始めたこと。
知るのが、少し遅かったのが悔やまれます。もう少し早ければもっとちゃんとした記録が残せたのですが。。。
それでも、まだ一号給水池が解体前に接することができたのが、せめてもの救いでした。
コメント
和田堀給水所の一号給水施設を何らかの形で残したいと考えます。どこに訴えたらよいのか分かりません。世田谷区は敷地の一部を借るようすることを計画しています。それだけ広い敷地ならば一号地の一部でも残せないかと考えます。有効な方法があれば教えてください。
黒木様、コメントありがとうございます。
改めて世田谷区の取り組みを確認してみました。
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/sumai/003/002/002/d00034921.html
「和田堀給水所 街づくり誘導指針」には、下記の文言もありました。
【5都市景観の形成について・既存の給水所施設は、築造後80年を経過し地域のランドマークとなっている。敷地内の計画にあたっては、人に親しまれる景観となるように配慮すること。 】
東京都水道局と世田谷区でどのような話があるかは、部外者である私はなんともいえませんが「景観の配慮」が、既存建物に対してどこまでの効力を発揮しているかは判断に難しいところ。この手の建造物は、耐久性や耐震性、そしてなによりも「給水所としての機能」に問題がなければ、保存への道筋がつけば、、、といったところですよね。保全活動として、訴えるべき窓口は、東京都水道局と世田谷区かとは思いますが、保存活動を起こされるのであれば、私も安全性や実用に支障がないのであれば、歴史的にも貴重な建造物にして、地域のランドマークとして有益なシンボルと言う観点からも、これは是非とも残すべきという立場ですので、なんらかのご協力ができれば幸いです。